HONDA CB1000SF
1994年式となれば結構な車齢となるが、お手軽な金額でバイクライフを楽しむ為には、頃合の機種。
事故歴や過剰な改造も無く乗り継がれてきたバイクなら、むしろ貴重な宝物的存在と言える。
ただ、その際に重要な点は、しっかりとメンテナンスされたバイクを信頼出来るショップで購入する事!
そうすれば、その後に簡単なメンテナンスを重ねていく事で、もう一花も二花も咲かせてくれるはず。
そうではなくて、免許取得後に始めて出会った思い入れのあるバイクも、気付けば十数年の月日の流れ‥‥‥
いずれの場合にしろ、十数年の車齢や走行距離数万キロとなれば、ポンコツ扱い?大切な物とは思えない?
とはいえ、ビッグバイクと呼ばれる大排気量車の多くは、無理を知らずに余力を残したまま時を刻んで老いていくに違いない。
そんなビッグバイクの手入れは、TryR2における重要なテーマ。まだまだ引退してもらうわけにはいきません!
以下は、日常手入れを繰り返してきた、どこにでも在りそうな1台のTryR2事例。
写真は、作業のダイジェストながらも、TryR2的手入れの雰囲気は掴めるのでは?
手入れに際しては、高価なカスタムパーツをどんどん取付けるわけではありません。
使えるパーツは使い、その見極めや手入れ作業こそメンテナンスの本質と重視。
同じ手間なら新品、否、カスタムパーツに交換〜といった世界に一線を画す。
1つの高価なカスタムパーツよりも、各部の給脂や調整作業こそ真の手入れ!
TryR2の手入れの後は、中型クラスのように軽快に乗りこなせるって‥‥‥それが本来の性能だから!
バイク本来の性能を取り戻し、同時にバイクライフまでリフレッシュ〜♪

各写真は、別ウインドウで大きく見れます。(640×480ピクセル)

作業前
ビッグワンと呼ばれたバイクだけの存在感があり、所有欲を満たしてくれる。 このクラスの33000キロは、道半ばと言えるが、全体的なメンテナンスの必要な時期。 高級感を醸し出すアルミポリッシュやクロームメッキだが、表面の劣化が逆に気になる。 ラジエーターは、細かいフィンが前方からの汚れをまるでフィルターのように貼り付ける。 高温にさらされたエキゾーストパイプ以上に、奥まったウオーターパイプの錆が酷い。
エンジン左サイドもウオーターパイプのクロームメッキ等が車格を演出する。 ウオーターパイプの表面は、時々磨かれているのか、錆びてはいないが、ヘッドナットは? ヘッドリアのウオーターパイプ凹部は、他に比べて錆が進行している。 バイクにとって最も重要なヘッドパイプ部分は、溶接部分やハーネス接触部等と錆が生じ易い部分。 ホイールが一様に艶消し塗装されたように見えるが、ディスクパッドの磨耗粉による汚れが蓄積したもの。
大きなアルミサイレンサーは、ポリッシュではない為、表面の劣化が目立たない。 ところが、ミドルパイプのクロームメッキ部は、他のメッキ部分同様に錆始めている。 輝きを失ったパーツの中で、最近に交換したリアショックが目立つ。 ネイキッドにしては、高級感の有るメーター周りだが、ステムロックナットの錆がどうしても気になる。 クロームメッキのヘッドライトケースやリムは、普段から良く磨いて輝きを維持したい部分。
作業中
チェーンの汚れは、スプロケットカバー内に集積され、砂混じりの汚れの中で、文句も言わずに働いている。 真っ黒なチェーンとグリスや泥がこびり付いたリアタイヤ周りを手入れする。 ホイールベアリングにグリスは残るものの、滑らかに作動するか力を加えて回してみるとギリギリセーフ? ステムベアリング(写真はロア)は、ヘッドパイプ側のアウターレースの圧迫痕等も見落とさないように。 ネイキッドの長いフォークチューブは、ヘッドライト付近が普段の手入れ時に磨きにくく錆びてしまう。
しっかりと汚れを落とし柔らかいチェーンルブを給油するとゴールドチェーンが柔らかく垂れるようになる。 チェーンの手入れの後に、ミドルパイプのメッキ部を磨き、チャンバーを耐熱塗装し直したリアタイヤ周り。 重量車のホイールベアリングは、最重要部位!しっかりとグリスを交換し延命を図る事に。 ステムベアリングも似たような状態であり、緊急の交換は要しないが、同様に延命処置を実施。 新しいリアショックによって、ダンピング不足が顕著となったフロントフォークは、OHによって性能を回復。
ハブダンパー、ハブベアリングの手入れの後にクリーンアップされたリアタイヤ。 輝きを取り戻したチェーンは、全てのリンクが滑らかに動き、スプロケットと合体する。 手入れされたスイングアームやチェーン、タイヤ関連が組み付けられたリア足回り。 サイレンサー、ペダル周り、キャリパーと漏れなく隅々まで手入れを実施。 アルミ地はそれなりだが、ミドルパイプは綺麗な輝きを取り戻した。
新しいリアショックが違和感無くマッチするリアサスペンションは、いよいよ本来の性能を発揮する事になる。 輝きを取り戻したエンジン周辺は、ビッグワンの正にチャームポイント! 再塗装されたラジエーター本体と輝きを取り戻したエキパイ。 ラジエーターガードとフロント足回りが組み付けられ、完成間近のビッグワン。 磨かれたトップブリッジ周りと新品のロックナット!安価なパーツで一新するなら決して無駄な交換ではない。
作業後


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