綺麗にするって事の意味


バイクを手入れする時、問題になるのが汚れ。
土埃りであったりグリスであったり、酷い場合は、泥であったり。
普段から綺麗にしている場合でも、これは避けては通れないもの。
なぜなら、普段手入れされていない部分を点検するのが専門家ってもんだから。
だから、泥がかかったラジエーターであったり、センタースタンド取付部であったり、エンジンマウント等といった部分を発掘する事にもなる。
中でも酷い部分は、スイングアームのチェーン側ピボット付近!
まるで、ベルトワックスか?ってぐらいの塊が削りだされる事すらある。
2stスクーターなら、オイル給油口の下側あたり、いつ火災になってもおかしくない状態のはず〜
でも、そうやって、汚れというものを取り除いていかないと、その部分がどうなっているかがわからない。
ボルト穴の汚れを落としていたら、その部分にボルトが付いていなかった!ってのもある。
フレームや配線の表を拭くだけではなく、裏側も拭かないと意味がない。
配線がフレームときつく接している部分も、ウエスを入れようとすれば、通らないからわかる。
そういった部分に問題が生じていないか、兆候は無いかと点検するのが大切だから。
そんな作業中に、ビスやグロメット等を発見することもしょっちゅう。
うっすら埃が積もっているだけでも、拭き取れば全体がうっすらと錆び始めている事もよくある。
いつでも綺麗に出来るという慢心は、機械には通用しない。
いつも、しかも確実に変化しているからだ〜! そう自分に言い聞かせながら点検をしている。

手入れ好きって人も、ワンパターンでするのではなく、ちょっと考えてみて欲しい。
昔、工員さんは、油を浸したウエスで大切な機械を磨き上げていた。
今は、便利な事にスプレー類が安価に色々とある。
何もパーツクリーナーで綺麗にせよってわけではない。
確かに、パーツ単位でとことん綺麗にする場合は、部品洗浄台代わりに使える。
しかし、バイクのあちこちに、これをぶっかけるのは良くない!
使用説明にあるような事は、当然として、それ以外にも、落とした汚れを細部に浸透させてしまったり、必要な油脂分まで取り去ってしまう事にもなるから。
それでも使用する場合は、洗い流す汚れをすぐ下側にウエス等を当てる事でその場で吸い取る事。
間違っても、どこかに流れながらその部分も綺麗になれば〜?なんて考えるべからず。
見えない部分を適当に解釈してしまう行為こそ、TryR2が取り除くべき汚れだ!
そして、汚れが取り除かれたなら、必ず、その部分に適した油分を補う。
これを怠ると何をしているかわからない事になる。
まさに、人間の自己満足、機械は丸裸にされて放り出されたようなもの。
作動部分なら、条件に応じた各種グリス類。
そして、フレームやスイングアームの表面、ボルト等といった潤滑とは関係ない部分であっても、シリコンスプレー(潤滑、保護、離型剤)でコーティング。
場合によっては、CRC(浸透性潤滑剤)と使い分ける。
そして、大事な事は、コーティングといっても吹き放なしではなく、拭き取る事。
余分な油脂分は、埃を呼んだり、ついには湿気を呼ぶ事になるから。
日頃から各所に手を入れていると、クリーナー類を使う機会はなくなってくるはず。
シリコンスプレーやCRCを吹きかけながら、ウエス類(ウエス用のロールペーパーがお薦め)で拭き取っていく感じ。
その作業の中で、異常がないか隅々まで点検されるわけ。

だから、点検作業の結果として、綺麗で艶やかなバイクに生まれ変わる。
逆に、綺麗にする事が目的で作業をすると、洗車後の車のエンジンルームのように、見えない部分にむしろマイナスを残しかねない。
でも、手入れの結果として綺麗になるとはいえ、普通では、そうは簡単に出来るものではない。
根気も続かないし、やり残しも出てくるはず。
何よりも必要な事は、メカニズムに対する知識!
この部分は、こうなっている、こう動いている、こんな無理(負荷、力)が加わっている、こういう風に劣化するはず‥‥‥
だから、確認しないといけない! って強い意志が生まれ、それをしないと、きっと不安になるはず。
手入れされたバイクを見れば、そのオーナーの知識もわかろうってもの。
でも、詳しいというか、乗っていれば全て手に取るようにわかる人が、案外乗りっ放しにする。
その心当たりのある人は、今からでも、初心忘れるべからずって意味を込めてマシンと接して欲しい。
綺麗なバイクは、手入れの結果であると同時に、メカニックとしての心の鮮度も現しているのだから。
 
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点検や修理を自分でしたいと思うなら


とにかく、一番に愛車のサービスマニュアルを手に入れる事。
すぐに作業に取り掛かるかどうかに関係なく、順番から言えば工具よりも先!
これを高いだなんだと避けていると、どこかで痛い目に遭う。
最近では、インターネットでパーツリストやサービスデータは手に入るようになった。
でも、図解で整備手順書ってのは、まだないでしょう?
検索で色々探しても、多分断片的とか、似た例が見つかるぐらいだろう。
これでは、充分とは言えないし、間違った解釈をしてしまう恐れもある。
しかも、それに費やする時間もばかにならない。

サービスマニュアルの良いところは、具体的であって全体の事もわかる事。
作業をするしないに関わらず、とにかく勉強になる!
それもそのはず、いわば彼女を口説く解説書?否、彼女自身による告白書なんだから〜
これを持たずして、彼女の満足を得られると思う無かれ!
サービスマニュアルは、ビッグバイクでも1万円ぐらいで販売されているから、ちょっとしたパーツよりも安い。
わけのわからないパーツで化粧するよりも、手入れの質を高めて健康美人といきたいもの。

さて、サービスマニュアルを手に入れたなら、まずは、一通り目を通そう。
興味のある部分だけというのではなく、はじめに〜付録や索引までもらさずに!
メーカーや機種によって、多少の差はあるけれども、実に沢山の情報が書かれている。
作業毎に、どんな工具が必要とか、専用工具がどんなものかとか。
もちろん、基礎知識ってのも度々出てくる。
単位の換算とか、ケミカル品の注意とか、応用力もバッチリ身につきそう。
例えば、XXのマニュアルには、「樹脂表示および特性」という表があり、19種類もの樹脂の記号と読み方、耐熱温度、耐溶剤性と注意点が書かれている。
もちろん、実車の使用箇所も図示されているから、大いに役立つし、何より応用出来る。
サービスマニュアルで勉強した後では、いつもの景色が違って見えるかもしれない。
当然だけど、いきなり全部を理解するのは、無理な話。
でも、難しい部分、理解できない部分が、有るのだという事を知る事が重要。
まずは、出来るところからしっかりと、そして、少しずつ実力と経験が備わってきたら?
そこで、残された難しい部分を研究する為にインターネットを活用すればいい。
そういった、部分的な解説になら使える情報は多いし、もし、誤った記述やはしょった内容であっても、それに対応出来る力が付いているはずだから。

実際の作業においては、無理に汚さなくてもいいけど、汚す事を恐れてはいけない。
とにかく、作業の傍らで開いて、しっかりと内容をトレースするつもりで!
本棚に飾っておいても意味がない。わかったつもりで REAL REPAIRって出来るのか?
ところが、失敗してからその原因探しをマニュアルでするって、逆向きな使い方をいずれしてしまうもの。
だから、先にここで書いて、マニュアルの正しい使い方を求めている。
何なら、オークションで、既に汚れたものを手に入れたほうがいいかもしれない。

サービスマニュアルは、TryR2の重要なアイテムであるから、是非手に入れるべし!
 
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まずはバイクを知ること


バイクを知ることって言ってはみたものの、何から知ればいいのやら?
そこで、ここでは、バイクの手入れをする上に大切なことに的を絞ってみる。
しかし、いきなり構造を知れって言うのは無理があるかもしれない。
そこで、知識の補強は、雑学ではなくてわかり易い解説書で地道に勉強する事として、それ以外の部分について。
その大切な事とは、一言で言えば「百聞は一見にしかず」って事になる。
とにかく、見て、触って、動かしてみるって事!
そんな事、いつもやってるわい!と思う無かれ。
自分のバイクは、言うまでも無い事であって、それ以外のバイクに数多く接する事に意味がある。
幸いにも、バイクのメカニズムは剥き出し状態。
だから、「見る」といってもほとんど全てが見れるはず。
しかも、普段、街で見かけるバイクには、様々な種類があるし、使われ方も程度もまちまち。
もちろん、手入れのされ方にも大きな差があるんだから面白い。
ハンドルやエキゾーストパイプの錆具合とか、エンジン周りの汚れ具合、フロントフォークの錆具合であったり、オイルのしみ出し具合とかまで。
さらに、ブレーキ周りの汚れ具合に、チェーンの汚れやタイヤの磨耗にテールパイプの汚れに〜
色んなバイクをしかも数多く見れば、メカの知識が今一って時でも何かが見えてくる。
どの部分が汚れる部分なのか、又、錆びる部分なのか?
それどころか、転倒した時に壊れやすい部分までわかってくるかもしれない。
「このバイクは、全体に古びているけど、タイヤは一度交換した事があるみたい?」
とか、このバイクは、裏の部分まで綺麗に手入れされている〜!とか。
でも、案外、乗り放なしのバイクが多い事に気付くのかもしれない。

それで、どうなん!?
自分のバイクは!?
色々見てきたバイクと比べてみて、何か感じるものはあるのか?
同じような部分が汚れたり、錆びたりしているだけで、大差が無いって、それだけ〜?
特徴的な状態は、見当たりませんか〜?例えば、自分のだけサイレンサーの継ぎ目が真っ黒だとか。
それなら、そこの部分で普通以上に排気が洩れているってわかるだろ。
恐らく、その部分の締付けバンドがガスケットのヘタリで緩くなっているに違いない。
また、自分のバイクが妙に傾いている事に気付いたなら、サイドスタンドの取り付けが緩んでいるのかもしれない。
そんな風に、?が付いた部分をさらに調べていけばいいし、?が無いっていうことなら、もっともっと見ていく必要があるだろう。
色んなバイクを沢山観察するって事は、バイクってメカがどんなものかっていう最もベーシックな部分を身につけているわけ。
知識とかではなく、体や感覚で身に付けている基礎固めみたいなものだ。
間違っても、自分のバイクは程度が良いって喜ぶ事が目的ではないから!

それでは、見るって事と同じく大切な事に、「触ってみる」という事がある。
これは、どこでもってわけにはいかない!
他人のバイクを触るのはご法度、もちろん、見るのも遠慮してって事にはなるだろうけど‥‥‥
展示場のあるバイク屋さんで、触ってもいいですか?って一言断った上で丁寧に。
この目的だけでバイク屋に行くのは、気が引けるかもしれないけど、良いバイクがあれば友達に勧める事も出来るからね!
ブレーキレバーやクラッチレバーを握ってみたり、ハンドルを左右に動かしてみたり。
エンジンを掛けれるデモ車や特選車等が用意されている場合は、もちろん、試させてもらう。
エンジンの掛かり具合、スロットルに対する反応、吹き上がり、そして、その時の音や振動の度合い。
エンジンにも色んなタイプや排気量があるので、それぞれに、音も振動も違うはず。
出来れば、感じた事を質問してみよう。「これって調子良いですか〜?」とか
すると、「これは絶好調ですよ!普通はもう少し鈍いから‥‥」なんて、より詳しい手がかりが得られる。
上手くいけば、またがったり、サスペンションをバンプさせれるかもしれない。
その時には、クシュクシュという音の具合とか、フロントフォーク摺動部分のオイルの付着具合。
フロントブレーキをキュッと掛けた時のフロントフォークの沈み具合など、しっかりと見ておく。
そして、沢山の種類を経験する中で、正常といっても色々な個性があるのがわかってくる。
さらに経験を積んで、個性と異常の区別が付くようになれば言う事はない。
さて、バイク屋さん巡りは、プラスになったかな?
何より、自分のバイクは、程度が良い方なんて、お気楽モードは消えてくれたかな?
上には上があると言うか、新車時の性能は、さらに高いところにある事を知るのは大切だ。

友達もバイクに乗っている場合なら、無理の無い範囲でお互いに取替えて乗ってみよう。
いよいよ、走行フィーリングを体で感じる段階まで進む事が出来る。
お互いに大切なバイクだから、面白半分に乗り回すっていう事ではなく、お互いに勉強しようって。
何も、無理に小回りUターンとかをする必要も無く、直線で50メートルでもいい。
それでも、発進や、加速、減速、停止とする中で、沢山の情報が体感出来るから。
エンジンの力、クラッチの断続のフィーリング、シフトの硬さストロークの量、前後サスの硬さや動き具合にバランス、さらには、ブレーキの効き具合。
ちょっと、体重移動させたり、ハンドルに入力すれば、運動性能の片鱗まで伝わってくる。
この程度なら、お互いに嫌な思いをしなくていいはずだから、大いに勉強しあうべきだ。

よく職場などでの訓練において、「習うより慣れよ」って言われると思う。
それは、体で覚えた事が知識を補ってくれるから、効果的に学習出来るって事なんだ。
例えば、自転車の練習時、何の知識もなくても、言われたままにペダルを踏んで前に行こうとする。
その時、後ギヤにワンウエイクラッチが有って、その作用で前向きに力が加わったら後輪に駆動力が伝わるなんて、誰も知らないし教えてももらわない。
でも、それを体得している人に、ワンウエイクラッチとは、自転車に使われていると説明したら、すぐにどんな事かがわかる。
体で覚える事がすべてではないが、知識の裏付けとなりよく理解できるし、大きな憶え違いもしない。
しかも、知らない部分を推測で補って、知識を広げたり深めたりする事も自然と可能になってくるものだ。
しかし、時には、思い込み違いって事が起きるのも事実。
R2とは、そういった不確かな部分を無くそうとしているのだから、知ったつもりではすまない。
プロでも、どうかな?っていうレベルだから、自分自身では、辿り着けないかもしれない。
でも、好きなバイクの為なら、プロ以上の志も持てるだろうし、愛情あればこそ!
病院で、子供に代わって医者へ説明する母親をイメージして欲しい。
母親は、医学は知らなくても、普段の子供の事なら誰にも負けないぐらい知っている。
その愛情には、時として、医者を変えることだっていとわない強さがある。

自分のバイクというものをしっかりと知る事は、TryR2の実践であると同時に、原動力でもあるのだ。
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普段は何を見れば


何にでも言える事だけど、不具合っていうのは早目に手を打つのが簡単に決まっている。
当然、それに要する手間も費用も安くつくのは当然だ!
では、どうすれば、早目に手を打つ事が出来るのか?
まず言える事は、当り前だけど乗りっ放しではいけないって事。
乗りっ放しだと、とにかくトラブルは突然にやって来ては、段取りを狂わせてくれる。
トラブルだから仕方ない?と思えばそれまでの事だけど、これでは常に不安と隣り合わせ。
トラブルの多くは、事前に防げるというか、それは、トラブルではなくて、自分が招いた結果だ。
いきなり厳しい話になるが、それには理由がある。
何も、一朝一夕にトラブルの芽をあぶり出すような鋭い目を求めているのではないから。
簡単な事を怠らずにする事が、変化を防ぐと共に、変化を知る唯一の方法。
いよいよ、その方法について、話すことになる。

飛行機のパイロットが、フライト前にコクピットの計器をチェックする。
それは、格好いいイメージだけど、一方、乗り込む前にテクテクと機体を見て回っているのは、真実の姿だ。
チームが見てくれているとはいえ、飛ばすのはパイロット!
万一の時に、「何が起こった!」って叫んでも、誰もスミマセンって謝りにも来れない。
だから、タイヤの空気圧を触って確認したり、翼やエンジンコンプレッサーを覗き込んだりしている。
それで何がわかる?って思うかもしれないけど、見ただけって自己満足や安心感だけではないはず。
当然、鍛えられた目が、異常やその前兆を捉えるに違いない。
さらに、見ていない不安は、万一の時の判断をも狂わせかねない。
もし、見ていなければ、「そんな事が起こるはずがない!」っていう判断さえぐらついてしまう。
幸いバイクは、何もかもが良く見える!走りながらでも、見ようと思えば色々見れる。
しかも、その多くは、機械的にダイレクトに動いているから、全体を目で追う事も可能だ。
ただ、チームワークってものじゃないから、ライダー自身の100%自己責任になる。

毎度乗る前にするチェックなら、大袈裟な事は、絵に書いた餅。最低限度でないと、やってくれない!
いつも、家から出発というわけではないからね。
でも、ロックを外して、ヘルメットを被り、サイドスタンドを起こしてGO!では、危ない!
乗ってきたからといって、次もその延長線でいけるとは限らないし、イタズラもされる。
乗る前に、周りに怪しい人物がいないかを確認するように、バイク全体もサ〜っとは見る。
そして、跨ったら、サイドスタンドを起こし、ハンドルを左右それぞれ一杯まで切ってみる。
次にブレーキレバーを握って、ブレーキペダルは踏んで確認しながら、上下に揺すってみる。
この時、ストップランプが見えるなら見ておいたらいい。
クラッチレバーを握って、エンジンを掛けたらチェンジを入れ、バックミラーの状態を確認(安全確認ではない)。
最後に、わずか50センチ程度発進させ、ブレーキで一度停止させてみる。
以上でOK!燃料は?これは、家を出るときとか、毎回でなくていい。
ここまでの乗る前のチェックは、主にイタズラに対する点検で、一度停止させるのは、レバーを握った感じだけでは、止まる保証がないから。
これだけのチェックで、とりあえず発進した後に何か異常があっても、端に寄せて止まる事が可能だ。

そして、維持費軽減に大切な部分が、もう少し時間を掛けてする点検。
タイミングや条件的にもガソリン補給時に行うのがベター。
どこかへ出かける際に、まず簡単なチェックを済ませてから、時間に少し余裕をもって給油に行こう!
そして、忘れずにタイヤ空気圧を調整する。
たったそれだけの事で、乗りっ放しとは比較にならない安心感とマシンコンディションで楽しめる。

では、何を見れば?
結論から言うなら、自転車と同じ!
1にタイヤ、2にブレーキ、3ハンドル、4にペダルとチェーン、最後にサスペンション。
バイクも基本的に自転車と同じ作りだから、ペダルがエンジン関連となるのとサスが有る違いだけ。
エンジン関連は、エンジンオイルだけじゃないよ、ガソリンも!
水冷エンジンなら、水漏れにも注意しないといけない。
具体的には、どんな程度の意識で見れば、異常や前兆を見つける事が出来るだろう?

一番目のタイヤについては、作業の順番上で後回し。
次はブレーキ、普段の点検なら、ブレーキレバーの付け根にあるマスターシリンダーから、ブレーキホースを辿ってブレーキキャリパーまで、オイルが洩れてなければ良い。
ハンドルも左右に引っ掛かりなく端まで切れればOK!特に問題となる事はないはず。
でも、左右で重さが違ったり、引っ掛かるような場合は、ハンドルとタンクとの隙間付近のワイヤーや配線の様子をチェックする。
ハンドルの動きに応じて、スムーズに伸びたり、逆の向きでは、スムーズにたわむのが正解。
クラッチがワイヤー式のバイクなら、クラッチワイヤーは硬いチューブで覆われているから、特に注意して動きを見よう。
いよいよ、エンジン関連の順番だ。大事なポイントは、エンジンのかかり具合!
そして、燃料の量は給油するからOKとして、燃料コックの位置〜
もし、前回の走行時に、RESにしてあるなら給油後に戻し忘れないように。
次に、スロットルの作動とクラッチの作動の具合。
さて、エンジンの掛かりが悪い原因は、スターターモーターの回る勢いが弱い場合が多い。
これは、バッテリーの消耗が一番の理由だから、早めに交換しておくのがベター。
重量バイクで押し掛けなんて、嫌だもんね!
でも、エンジンが掛かって暖機が出来てからでも、まともに吹き上がらないとか、アイドリングが効かない(手を離すと止まってしまう)って場合なら、キャブレターやプラグ等の点検も必要だ。
スロットルの作動は、クルッと回って、パチンッて戻るかって事。スムーズに開いて、スムーズに閉じればOK。
また、開き始めの遊びが大きいと、スムーズなスロットルワーク(回転調整)が出来ないので、ギクシャクした運転になりやすい。
遊びの調整は、その程度ならグリップ部で出来るはず。
アウターチューブについているアジャスト部のナット(樹脂のダイヤル状のもある)を緩めて、対するアジャスターを緩める方向に回してアウターチューブを長くするわけ。
その分、遊びが小さくなるから、グリップを回して確認し、良いところでナットを締めて固定すればOK。
別にこれで、維持費がどうのこうのではないけど、乗り易くなるんじゃないかな?
問題は、クラッチの作動!クイックイッと楽にレバーが動くかな?
ギシッギシッて感じなら、これは、今すぐに手入れが必要〜!レバーの部分をし〜っかりと見て欲しい。
レバーの付け根のボルトの部分が、赤く錆始めていたり、ワイヤーまで錆びている場合もある。
こんな部分には、CRCよりも潤滑性や耐久性の高いスプレーグリスを注そう!
ワイヤーにスプレーする場合は、アジャスター部の切り溝の位置を上にすれば、内部に吹き込み易くなる。
スプレーが済めば、切り溝が真下になるように位置を調整し直さないと、雨水が浸入してしまう。
また、ワイヤーエンドの太鼓部分でほつれが出ていないかチェックし、もし、1本2本と切れていたなら、すぐにワイヤーを発注しに行かなければならない。
次は、チェーンの番。でも、遊びも急に大きくなるものでもないし、小さくし過ぎると逆に問題。
しかも、左右不揃いにしてしまう場合も良くあるだけに、定期点検時に任せますか?
でも、普段でも、チェーングリスが真っ黒とか、乾いてきていたら、しっかりと手入れをしたいところ。
この時、ついしがちなのが、今の状態にスプレーを吹き足す事!
古いグリスは、土ぼこりや金属粉を含んで研磨剤状態だし、錆止め効果も低下している。
エンジンオイルを注ぎ足すって出来る〜?その前に、エンジンの場合は、溢れてしまうって〜
でも、チェーンも同じだから!余分なグリスは、飛び散るは、こびり付くは、でグチャグチャに〜
そもそも、古いグリスがあると、新しいグリスが潤滑面に浸透出来ないし、飛んでしまうのがおち!
ちゃんと、シールチェーン用のチェーンクリーナーを使って洗浄してからやりましょう!
最後のサスペンションは、伸縮する摺動部の拭き掃除。
まず、乗り始める前に拭いておけば作業が一番生きてくる。
フロントフォークのインナーチューブは、クロームメッキがされているけど、放っておけば錆が出てくる。
また、摺動部についた埃は、ダストシール部の消耗を早めるかもしれない。
だから、乗る前の段階で、ウエスに、シリコンスプレーを含ませて、乾拭きではなくしっとりと拭く。
拭き方は、ダストシールの際から上に向かって拭き取るようにする。
もし、倒立フォークならこの逆で、上から下に向かってとなるけど、その理由は、埃をダストシールに寄せては意味がないから。
リアショックは、ロッドにウエスを巻き付けてゴシゴシって感じで。
こうやって手入れしておけば、この先、オイル洩れもすぐに気が付くから、オイルでディスクパッドまでダメにしなくて済むかもしれない。

そしていよいよガソリンスタンドへ、とにかく一番大事なのは、タイヤの空気圧。
これは、タイヤインフレーターってやつで必ずチェックしよう!
だから、ガソリン給油時にガソリンスタンドでやるのが一番。
タイヤインフレーターってやつは、メーターが付いている空気入れで、空気圧をセットすると、カチンカチンっていいながら自動的にストップしてくれるアレ。
そういえば、点検してないな〜って人は、直ぐにチェック!驚く程低下しているはず〜
減っていても目で見てわかりにくい事もあり、1.0とかになってる場合も多い。
車なら、同じようなサイズのタイヤが4本なので、比較もしやすいけど、バイクは前後まるで違う。
しかも、内容積に対する表面積やビード長も大きいから、条件的に不利だし。
タイヤの空気圧で、走行性能が大きく変化するし、タイヤ寿命にも影響するから忘れずに実施したい。
毎回、同じようにしておれば、異常もわかる。
もし、普段以上に補充されているようなら、そのタイヤが釘を踏んでいるかもしれないし、エアバルブ(虫バルブ)の劣化も考えられる。
そんな不具合なら、DIYで充分対応出来るものを 出先でパンクとなればそうもいかない。
まして、走行中に万一急激に抜ければ、大変危険な目に遭う事にもなりかねない。
 
以上が、普段、乗る際に見ておきたい最低限度の事だけど、これに加えて、定期的に消耗品を交換しておけばバッチリ!
いくら調子が良くても、また、乗り方が大人しかったとしても、交換しないわけにはいかないもの。
エンジンオイルなら、およそ5000kmまでに、プラグも10000kmが限度。
これは、良質な製品を使用して、しかも、比較的短期間で走行した場合としての目安。
もちろん、エンジン不調での使用などは論外だから、そんなままでは乗り続けないようにしよう!
不調を早期に発見したり、快調に使用する為の手入れだから、不調を知っていて放置するのなら意味が無い。
案外、そういった状態でバイクと接しているライダーが多いのも事実で、それは残念な事。

同様に、買って暫くとか新車で調子の良い間は、手間を省いて楽をしてる〜なんて、TryR2じゃない!
その時から、バイクとスキンシップをしながら、調子の良い状態を体で憶え込む事が手入れの原点。
言うなれば、その時こそが、コンスタントな手入れをスタートさせる最高のチャンスなんだ!
それと、こうやって書けば、読むのも大変な長さだけど、実際やるなら4〜5分ってところ。
だから、忘れずに続けてやろうね〜
 
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