流行や価格に踊らされずに、安心できる良い物を買いたい!

商品といっても、小さな物から大きな物、安価な物から高価な物まで範囲が広過ぎるんですが‥‥‥
家は、大きい上に高価ですから最も大きな商品であると言えますね。

そんな家にまで、流行があるのが今の時代です。
昔は、地方地方に、その地域独特の住宅スタイル(建築様式)がありました。
その気候風土に適した形や素材、そして同時に調達しやすい材料、それらが合わさり、無理の無いスタイルが出来上がっていたわけです。
建物の配置や開口部の様子、そして屋根の形や瓦の種類などに、特徴が表れていたものです。
ところが、情報や物流がどこにでも行き渡る現在では、その違いは、わかりにくくなっています。

科学の進歩や、世界的な物流の発展によって、素材や工法も変化していくのは当然です。
特に、ハウスメーカー等の大手企業製品では、最先端の居住性や安全性が作り込まれているものです。
しかし、その製品が、少し前なら平均的といえる性能を有してはおりましたが、今は、そうではありません。
機能、性能といったハード面の進歩だけではなく、好みやライフスタイルといったソフト面への対応も進歩している事に、注意が必要なのです。
例えば、都会に適したタイプをオシャレって事で、土地に余裕のある田舎に建てたとしましょう。
都会向きのタイプは、総3階建てでガレージもビルトインされています。
そして、バルコニーには、オシャレな木製パーゴラと腰壁には、パーゴラとコーディネートされた化粧板が貼られています。
ところが、近隣からのプライバシー、騒音面から開口部が小さく、数も少な目、さらには、トップサイドの配置が目立ちます。
そして、全体として建物の高さが抑えられている為、屋根裏を利用した居室があったり、庇は短くなっています。
確かに、壁や床、天井やサッシ等といった、それぞれの部分では、基本的な性能は確保されています。
しかし、全体としては、問題だらけではないでしょうか?
確かに、庭は広く残りましたし、ガレージは、雨でも安心のフリースペースで活用しています。
でも、ガレージのすぐ隣の玄関には、容赦なく雨や日差しが当り、居室は、爽やかな風のある日でも、エアコンをかけずにはいられないかも?
特に3階は、暑くて、階段の上り下りも大変ですから、子供部屋として使えるぐらい?
毎日の掃除で行き来も大変でしょう。
そして、建物への風当たりは強く、外壁やサッシの汚れ、トユの掃除も大変です。
木製のパーゴラや化粧板も、いずれ傷みますから、早々にメンテナンス経費を増すことでしょう。

では、庇が深くて、開口部もしっかりと取った、敷地の広さを活かした建物にしていれば、エコロジーでより快適に暮らせるはず。
維持費だって、ひょっとすると?
開口部も多くて、複雑な外観の住まいは、コア化された都会的デザインと比べると、熱効率面等の不利な点も確かに多いでしょう。
だけど、それによってもたらせる自然と優しく接する住まい方は、むしろ維持費を少なくさせるかもしれません。

住宅の例にもれず、無理のない無駄のない合理的なデザインは、技術的な裏付けがなされた物であって、そうは簡単に変えられるものではありません。
素材や製法の改良や進歩を取り入れ、少しずつ改善されていくものでしょう。
そんな、ピュアな商品を作り、また、大切に使用することによって、真の意味でエコロジーな社会が作り出されていくような気がします。

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